理事長基本方針

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2013年度 一般社団法人 新潟青年会議所スローガン

夢と希望に満ち溢れた未来へ向けて 〜新潟から強い意志と「日本のこころ」を示す!〜

呼び覚まされた精神こそ、私たちの原点である。

東日本大震災は、1万5千名以上の死者と、3千名以上の行方不明者という言葉を失うほどの被害をもたらしました。原発事故では、帰ることの出来ない故郷を作ってしまいました。東日本大震災は日本の歴史上まれに見る大災害であり、失ったものは計り知れません。しかし、全てが失われたわけではありませんでした。被災者でありながらお互いを思いやり助け合う姿、滅私で救援活動などの職務を全うした自衛隊員や消防士の姿は、日本人が長い歴史の中で脈々と培って来た日本固有の精神性を呼び覚ましてくれました。この素晴らしい精神性があったからこそ先人たちは度重なる国難を克服し、戦後の目覚ましい復興を成し得たのではないでしょうか。戦後の日本は貧しさからの脱却を目指し、幸せを求め、ひたすら経済成長を最優先とし、世界1位2位を争うほどの経済大国にまで成長しました。しかし、経済成長を重視するあまり助け合いや滅私の心が忘れられ、今日のような混沌とした時代を生み出したのではないでしょうか。東日本大震災により、日本人の精神性は私たちのDNAの様に受け継がれていると確信しました。私たちは、呼び覚まされた誇るべき日本人の精神性、すなわち「日本のこころ」を風化させること無く、英知と勇気と情熱を持ち混沌という未知の可能性を切り拓いていかなければなりません。それが私たちの責任であり、使命なのです。

現在の日本は、未来を担うべき者が関わる教育問題、少年犯罪や児童虐待、また国益を巡る外交問題、デフレや人口減少などの経済問題と様々な問題を抱えています。その原因は多岐にわたり、正義感やルール意識の欠如、自分さえよければ良いという利己的な考え、思いやりや相互連帯感の希薄化、そして無関心など挙げればきりがありません。私たち日本人は古くから自然や道具、言葉にさえ命が宿るとした八百万の神に象徴される神道、地域の四季や風土が育んだ情緒あふれる感受性、そして行動基準・道徳基準として中核を成して来た武士道精神など世界に誇るべき精神文化を持っています。この誇るべき精神文化こそ呼び覚まされた「日本のこころ」であり、あらゆる問題解決には絶対に必要で決して忘れてはならない文化なのです。「日本のこころ」を常に持ち、自らの誇りにすることは決して不可能ではありません。そう、私たちは日本人なのだから。

グローバル化により競争と技術革新が絶え間なく起こる現代社会では、幅広い知識と柔軟な思考力に基づく新しい知識や価値を創造する能力が求められています。教育は学校だけではなく、家庭や地域など社会全体で取り組むことが大切です。私たち新潟青年会議所も地域の一員として積極的に人財育成に関わらなければなりません。日本は先人たちのおかげで、世界で最も豊かで暮らしやすい国の一つとなりました。しかし、夢や希望が持てないという大人や若者が増えていると言われています。果たして本当に夢や希望が持てない社会なのでしょうか。夢や希望を持つのは自分次第、持つか持たないかは自らの意思だけなのです。進むべき道は自らが決めるという強い意思が大切であり、それを常に意識し続けなければなりません。誰にでも未来があり、一人ひとりが可能性を秘めているのです。選んだ道に間違いはありません。継続は力なり、すべては自らの経験となり未来へと繋がっていくのです。

海洋国家日本、新潟から世界平和を考える。

私たち新潟市民に深く関わる北朝鮮による日本人拉致問題は日本国家に対する主権侵略です。普天間基地移設問題に象徴される様に日米同盟についても困難な問題を抱えています。韓国による竹島の不法占拠やロシアに不法占拠されている北方領土、歴史的にも国際法上も日本固有の領土である尖閣諸島に対して中国や台湾が領有権を主張している領土領海問題など、現代の日本は様々な国際問題を抱えています。長らく米国の核の傘に安住して来た日本人は自らの手で愛する祖国を守るということを忘れてしまったのではないでしょうか。私たちは国家間の様々な問題について自分自身の問題であると捉え、真剣に考えなければなりません。

新潟市は環日本海地域における牽引役としての国際都市を目指し、さらに広く世界に開かれた国際交流を推進しています。青年会議所には国境も民族もないという様に、私たちメンバーは海外との交流の機会を積極的に活用し、自らその場に身を置き世界中の仲間たちと共通の体験を分かち合う必要があります。民間外交で、それぞれの思想の違いを理解し尊重し意見交換をすることで様々な問題の解決策が新しく生まれるのではないでしょうか。今まで新潟青年会議所は国際交流として、大韓民国ソウル汝矣島青年会議所・中華民国板橋國際青年商會との姉妹締結を結び、深い友情を育んで来ました。これからも3LOMの友情はもとより、それぞれの地域の発展を視野に入れた積極的な交流を進め、互いに理想の実現に向け、努力を重ねていこうではありませんか。

未知なる可能性を秘めた新潟、新潟の風土が育む魅力あるまちづくりへの挑戦。

日本経済は、デフレや増大する財政赤字、人口減少、さらに世界的な財政危機による通貨の混乱や円高が加わり深刻な危機に直面しています。こういった最中に起きた東日本大震災は日本経済に大きな影響を与えました。新潟においても厳しい状況は変わらず、先行きへの不安は払拭できません。目まぐるしく変化する経済環境や社会環境に対応し新潟の経済活性化に繋げていくには、本州日本海側最大の拠点都市として更なる基盤強化を図っていくとともに、新たな価値を生み出す発想が求められているのではないでしょうか。既存産業の強化はもちろんのこと、新たな産業創出も視野に入れ、新潟のアイデンティティを活かし、地域の存在価値を発信する必要があるのではないでしょうか。

個人商店の集合体であった各地の商店街は、大型店舗の進出などにより衰退の一途を辿ってしまいました。かつての日本の消費空間は住宅街から徒歩圏内に形成されていました。また、商店街を成していた個人商店は自宅兼店舗での家族経営が多く見られ、そこには家族の絆や地域との繋がり、コミュニティが存在し地域全体を支えるという仕組みが根付いていました。しかし、インターネットによるオンラインショッピングや郊外に進出してきた大型店舗などによる価格破壊、またコンビニエンスストアのような利便性に対し、商店街を成して来た個人商店は太刀打ち出来なくなり、将来性の無さや経営悪化を間近で見た子どもが後を引き継ぐこともなく今日のような姿になってしまいました。地域活性化のためには昔ながらの商店街の再生や復活を目指すのではなく、時代に即したあるべき姿、それぞれの地域の風土に合った情緒溢れる住みよいまちの姿を探り、創り上げていかなければなりません。

東日本大震災による原発事故は、日本社会全体にエネルギーの生産と利用両面に大きな混乱と課題を突き付けました。日常生活のみならず、工業生産や経済活動、医療などにも電気は欠かすことができません。原発に依存しない社会を目指すということは、それに代わる発電方法が必要になります。新潟には原発の他に火力、風力、水力、バイオマス、太陽光など様々な発電所があります。また、天然ガスや石油、メタンハイドレートなどの資源産出の可能性さえあります。新たなエネルギー生産の可能性を考えるとともに、持続可能なエネルギーの利用を考えることも重要です。現在も不実施が原則ではありますが新潟市でも計画停電が導入されています。個人レベルでの節電には限りがありますが、地域全体で取り組むことにより大きな効果を生むことが出来ます。原発も石油も過度な依存はいずれ行き詰まります。新潟の自然は美しく豊かなだけではありません。新潟におけるエネルギーの可能性が日本の明るい未来に繋がるのです。

JAYCEEとしての誇りと覚悟を胸に

新潟青年会議所は1954年10月4日の創立から59年を迎えます。明るい豊かな社会を目指し、また新潟の発展のため様々な事業を通じ、運動を続けて来ました。今日の新潟青年会議所の礎を築き、輝かしい歴史を紡いで来られた先輩諸兄に対し敬意を表します。先輩諸兄の様に、これからの新たな歴史を紡いでいくには新潟青年会議所のこれまでの歴史を深く理解する必要があります。メンバー間の意識の格差は組織や活動に弊害を及ぼしかねません。私たちは、この輝かしい歴史を自らの誇りとし日々の活動に活かしていかなければなりません。なぜならば、この歴史こそ私たち新潟青年会議所の原点であり、これからも紡いでいかなければならない大切なものだからです。

新潟青年会議所は一般社団法人格を取得し新たなスタートを切りました。私たちは、希望に満ちた明るい豊かな社会の実現を心から熱望し、次代の担い手として大きな責任を自覚し、個人の修練、社会への奉仕、世界との友情の三信条のもと、活動を通じ自らの資質を向上させ、愛する新潟のため、社会のため率先して行動を起こさなければなりません。青年会議所は絶対に若さを失わず、常に夢や希望に満ち溢れ、未来に向け前進を続けていくのです。私たちの運動を効果的に広く社会へ浸透させ、より新潟という地域に密着した青年会議所にしていくためには会員拡大が重要な課題であり、組織力向上を図るためにも必要不可欠です。そのためには全メンバーが会員拡大の意義・目的・必要性を意識し続けることが大切です。また、市民からの共感と信頼を得ることも忘れてはなりません。私たちはJAYCEEとしての自覚と誇りを持つこと、そして運動を推進していく者としての覚悟が必要であり、自らの資質向上に努め自律はもちろんのこと、社会への貢献を常に考え、明るい豊かな社会の実現に向け率先して行動していかなければならないのです。

覚悟を持ち続けることは容易ではありませんが、そのカギとなるのがメンバーの各事業への積極的な参加です。私たちは一人ではありません。活動する場は違っても、志を同じくする仲間がいるのです。私たちは互いに刺激し合い、助け合い、励まし合いながら共に成長していくのです。メンバーの各事業への参加意識向上こそ新潟JCの組織力強化に直結するのです。また、各事業への積極的な参加を通じ時間と空間を共有するコミュニケーションを図り、メンバー同士の相互理解を深めることで、力強く運動が展開出来るのです。

社会は時代とともに大きく変わりました。インターネットの普及で私たちの生活は非常に便利になりました。いつでもどこでも情報が手に入れられ、電子メールで誰とでも連絡を取ることができます。しかし、問題も存在しています。その一つとしてコミュニケーションがあります。今では相手の顔色を伺うこともなく、時間や空間を共有しないコミュニケーションが一般的になっています。結果、対面でのコミュニケーション能力の低下や意見のすれ違いが問題となっています。文字や言語によるものだけでなく、身振りや表情、服装や空間を介した非言語コミュニケーションが足りないのではないでしょうか。新潟青年会議所の各種会議も効率化を図り現在の姿となりました。つまりは、その時々とその場の状況に応じて最善の手段を選択することが重要なのです。「その社会を開発する諸事業の実践過程を通じて、自己の訓練をする活動」が青年会議所運動であり、すべての運動が研修に繋がるということです。その中でも手法や能力という側面から個々のスキルアップを図ることが重要であると考えます。なぜならば、素晴らしい企画でハード面やソフト面が完備されていても、行動を起こす人次第で成果は変わるのです。

明るい豊かな社会づくりは、その地域に住む市民が取り組むものと考えます。青年会議所だけで進めていくのは困難なことであるとメンバーも感じていることでしょう。私たちは、縁あって新潟青年会議所メンバーとなり、自らの資質向上を図り、リーダーシップを発揮し様々な事業を展開していますが、それは市民意識向上のきっかけを作っているという意味合いが強いのではないでしょうか。新潟市民すべてが明るい豊かな社会をつくる当事者であり、それぞれの役割を担っているはずです。市民の意識向上こそ私たちが目指す姿への近道であり、そのためには、私たちの運動に対して市民から共感と信頼を得ることが重要なのです。私たちは、運動を広く市民に発信し伝播するため、数あるメディアの有効性を分析し適切な手法を用い、効率的かつ戦略的に行動していかなければなりません。

公益法人制度改革によって新潟青年会議所は一般社団法人格を取得しました。しかし、私たちの基本理念や社会的責任は何ら変わるものではありません。市民からの信頼を得るためには、メンバーが品格ある青年としての自覚を持ち、法令遵守はもちろん、各規則やルールに従い組織運営を進めていかなければなりません。私たちの運動は決して完成されたものではなく、社会の進歩や変化によって更に発展していきます。組織も同様です。メンバーの能力が最大限に発揮され、高いモチベーションが維持できる効率的な組織運営を常に目指す必要があるのです。

未来を切り拓くのは強い意志と「日本のこころ」である。

理想とする明るい豊かな社会を築くためには、すべての問題を解決しなければなりません。しかし現実は非情なものです。その解決のため、いくつもの大きな壁が立ちはだかることでしょう。人は夢を見るから輝ける、理想を叶えようとするから前に進めるのです。私たちは歩みを止めてはならないのです。英知と勇気と情熱をもって運動を展開し続けることで、理想が現実を覆し、明るい豊かな社会を築くことが出来るのです。問題を起こすのが人ならば、それを解決するのも人なのです。だからこそ私たちは自らを律し、自ら資質向上に努めなければなりません。その要となるのが「日本のこころ」なのです。「日本のこころ」を自らの誇りとすること、それが未来を切り拓く強い力となるのです。さあ、今こそ明るい豊かな社会を築くため、夢と希望に満ち溢れた未来へ向けて、ここ新潟から行動を起しましょう。

事業計画

  • (1)倫理道徳を軸とした「日本のこころ」を追求し、日本人としての基本的精神を醸成する運動
  • (2)自らの将来は自ら切り拓くという強い気概を持った人財を育成する運動
  • (3)国際社会における日本の主権について意識啓発を促し祖国愛を醸成する運動
  • (4)周囲との共生からなる都市像の創造により新潟の価値向上に向けた運動
  • (5)市民からの共感と信頼にあふれる組織としてあるために個の資質向上と会員増強を目的とした運動