青年会議所に入会する以前の私は、覚悟をもって挑戦することから逃げていたように感じる。
それなりに一生懸命物事に取り組んではいたのだが、恥をかくのが怖いから、自分をさらけ出して失敗することを恐れて、いつしか変化を嫌い、自ら限界を決めていたように思う。
青年会議所ってどんな団体ですか。何をしている団体なのでしょうか。会社の仲間や、家族に自信をもって話を出来る人がどれだけいるでしょうか。何か後ろめたい気持ちで現実から目を反らし、活動している人はいないでしょうか。時間と金銭を費やし、自己の成長や地域の発展のために行動しているにも関わらず、JCと聞くとまだまだ否定的な意見が世論から聞こえてきたりもします。
自らを変えられないものに社会を変えられるはずはありません。青年会議所という学び舎で得たことを、応援してくれている会社の仲間たちに、関わっているすべての人々に行動で示そう。今は大変でも、その先には「明るい豊かな社会」がある。その明るい未来につながる扉を開こうではありませんか。変革者たらん私たち青年が、能動的に活動出来る機会を通じて、多くの知識を学び活用する。そして、成功、失敗の経験を繰り返し、見識として己の徳を積む。時には、どんな困難が立ちはだかろうとも、断固たる決意をもち、志を立て、未来を切り開いていかなければならないのです。現状に満足せず、何事にも挑戦し続けるという強い意思がそこになければ、人の営みは停滞し、社会は瞬く間に活力を失います。変化を恐れ挑戦しないリスクは、失敗するリスクよりもはるかに大きいものです。しかし、そこに気付く人は極めて希だと思います。
一般社団法人新潟青年会議所は、2014年度創立60周年を迎えました。先達が連綿と築いてきた歴史から伝統を継承するだけでなく、進化するための挑戦が必要です。温故知新の精神で、時代のニーズを捉え、事業の目的と手段を明確にして運動・活動を創造し、しっかりと検証・改善を繰り返し挑戦していきます。2015年度を進化の年と位置付け、私たちが住み暮らす「新潟」の可能性を追求し、変化を恐れず何事にも青年らしく積極果敢に挑戦し、感謝の心をもって誠を尽くし、志高く、豊かな「新潟」の未来を切り開いていこう。
近年、新潟JCの会員拡大は成功しています。これは、多くのメンバーが青年会議所の魅力を示したことによる成果です。ただし、本当にメンバー一人ひとりが当事者意識をもって、会員拡大に取り組んでいるとは言えないかもしれません。また、会員拡大を行っていると、否定的な意見を聞くことや入会を断られることもあり、私の伝える力の足りなさ、私自身の魅力の無さを痛感し、ひいては私自身が信頼を得られていないのではないかと悔しい思いを何度もしてきました。昨年全国のJCメンバーの平均在籍年数は4年4ヶ月となりました。新潟においても、大きく変わるわけではありません。決して入会が遅いことで青年会議所における学びを得ることが出来ないわけではありませんが、在籍年数が長ければそれだけ多くの機会に出会うことが出来ます。20歳から40歳までの青年期は、人生を生き抜く力を身に付ける大切な時期です。私は、次代の指導者と成り得る若き仲間たちに、多くの経験や機会を得ることが出来る青年会議所を知って欲しいと思います。少しでも早く入会し、青年会議所の魅力を知ってもらうことも大切であると考えます。私は青年会議所における様々な運動、活動を通じて、劇的に成長してきた仲間たちを何人も見てきました。JCを続けながら成長し続けているJAYCEEもいれば、卒業してから大活躍しているJAYCEEもいます。ここに相集う私たちJAYCEEが、市民からの共感と信頼を得るために会員拡大を行うことは、己の指導力を高めていく私たちの運動そのものなのです。青年会議所という学び舎を通じて、「新潟」の未来を切り開くために、一人でも多くの新しい仲間と共に活動出来ることを切に願います。そして、伝統的な新潟JC独自の新人研修制度を今一度検証し、時代に即した制度へと進化させ、「個」の能力を最大限引き出すトレーニングを行い、新しい仲間が心身共に大きく成長した正会員となる日を心待ちにしています。
農業分野における国家成長戦略特区として指定された「新潟」。私たちのまちは、「農業」と「雇用」の分野において規制緩和が認められ、特区を活用しながら6次産業化や大規模化、食品の高付加価値化を推進しています。日本経済再生の「第3の矢」として成長戦略の柱となるこの国家戦略特別区域法は全国的に重大なプロジェクトであり、指定を受けた「新潟」は日本全国から注目を集めています。私たちは、「新潟」に住む青年経済人として、この大いなる変化を新たなチャンスと捉え、農業従事者をはじめとした関係者と多面的で有機的なつながりを創り出し、当事者意識をもって取り組んでいくことが必要です。また、他人事としてではなく、俯瞰的な視点で物事を捉えることにより、新しい持続可能な経済活動の可能性を見出すことが出来ます。世界中に存在する多くの産業発展の可能性と成功事例を調査・研究することで世界の中での「新潟」の特色を見出し実践していきます。
幕末の日米修好通商条約にて開港五港の一つとして指定された新潟港は、現在でも日本一の大河信濃川の河口に国際拠点港湾として水陸の交通の要衝であり、2019年開港150年を迎えます。また、1929年には、本州日本海側で初となる万代飛行場が開港されました。1973年には、地方空港の中では一早く国際線が開設され、ロシア、中国、韓国、グァムと多くの国際定期便が運行されてきました。また、上越新幹線開通や北陸自動車道をはじめとした高速道路網の整備により、交通インフラストラクチャーは充実し、都市としての基盤条件は整っていると言っても過言ではありません。しかし、新潟空港の国際線では、ロシア・グァムと搭乗率の低下による減便・休航が相次ぐ等、交流人口の減少が懸念されています。今後の超高齢化・生産年齢人口減少時代に向けて、来訪者の多様化する属性、動向を把握し、更なる交流人口の増加に向けた施策が必要です。また、防災都市機能の充実、世界水準の国際見本市の誘致等のあらゆる可能性を模索し、行政と私たち青年世代を含む民間とが、密接な協力体制、信頼関係を構築し、有機的なつながりをもって「新潟」の拠点化に向けての運動を推進していきます。
20世紀までは、スポーツ後進県と言っても過言ではない新潟が、昨今、全国規模のスポーツ大会で輝かしい戦績をあげています。また、健康志向によるマラソンブームの到来やプロスポーツチームの活躍がまちに活力を与え、スポーツ庁の開設検討等、2020年東京五輪に向けて全国で気運が高まっています。私たちの幼少期に比べるとスポーツの環境は整備され、子どもたちの運動レベルは遥かに向上してきました。全国各地の青年会議所においては、わんぱく相撲大会の企画・運営や、2014年度からは日本サッカー名蹴会と日本JC共催によるJCカップ等の大会が開催されています。スポーツを通じて、青少年育成事業を展開し、人間力の育成や感動を呼び込むまちづくりが提唱されています。そして、新潟における冬季五輪の誘致等、全国規模、世界規模の大会誘致の可能性を模索していきます。私たちは、日本代表として活躍する選手が、「新潟」から誕生することを願ってやみません。また、文化・芸術、マンガ・アニメ、音楽といった多くの分野による「新潟」の魅力にも焦点を当て、限りない可能性を秘めている「新潟」の未来への扉を開いていきます。
祭とは、「神の恵みと祖先の恩」とに感謝し、全身全霊を捧げて、「真剣な祭」を執り行うことです。祭は、古くから神社を中心に行われており、神を祀り、物を捧げ、心から神心に随順することであり、実際の国民生活に関係しないものはありません。神に感応する祭も、人を感動せしめる祭も、「真剣」という2文字以外に当てはまるものではないとされています。2014年度、新潟青年会議所では、全国で行われている祭を調査・研究してきました。その成果を活かし、伝統的に先達より継承されてきた新潟まつりをはじめ、年間を通じた「新潟」の祭にも焦点を当て、新たな息吹を吹き込み、市民と楽しさや感動を共有することが出来る祭、そして、多くの市民が積極的かつ意欲的に参加する祭への進化を促します。
戦後、経済発展は喫緊の課題であり、先達の弛まない努力によって高度経済成長を遂げ、今や世界有数の経済大国の一つである日本は、経済的・物質的にも豊かであることは確かです。しかし、経済大国と評される今も、多くの社会問題が顕在し、本当の豊かさを得ているとは言えないと考えます。経済的合理性のみならず、社会変革の担い手として、社会問題を認識し、各分野で時代のニーズにあった事業に挑戦し続ける人財が、地域に活力を与えると確信しています。日本固有の精神性である、道徳心や奉仕の心、利他の精神にも焦点を当て、地域に欠かせない人財として、真に必要とされる素養を育成するための運動を展開します。
また、近年、青年会議所会員向けの日本JCトレーニング育成プログラムを活用し、「個」の力を高めてきました。しかし、日本JCのプログラムは、会員の資質向上を目的としたものだけではありません。今後は市民意識変革者として、先達より引き継がれた青少年育成プログラムを活用し、未来を担う青少年の育成に取り組みます。また、戦後の日本の教育現場は、知識偏重型の教育でした。しかし、子どもたちには、一人ひとりが自ら課題を発見し、考えることで課題を解決していく主体的な学びが必要です。子どもたちは、その課題解決の過程で、主体的な思考力を身に付け、自らの将来の姿を具体的なイメージとして思い描くことが出来ます。また、古くから伝わる日本の精神性を養うことも重要であり、学校教育だけではなく、家庭、社会が三位一体となって未来を担う子どもたちに伝えていくことが肝要です。教育現場に赴き、実際に教えることで「個」の力を高めながら、可能性に溢れる未来の子どもたちに投資していきます。
日本は、国際社会と相互に関連し依存し合っています。世界の平和と繁栄なくしては、私たちが住まう「新潟」の安寧もありえません。東日本大震災による被害の大きさに絶望を感じながらも、礼節を重んじ、他を慮る心をもって復興に取り組んでいる姿や、2014年度サッカーワールドカップブラジル大会において、スタジアムで観戦した後、周辺のゴミ拾いをしてから帰宅する姿等、日本人の精神性は世界から賞賛されています。私自身も、日本という国家を慈しみ、故郷である「新潟」を世界中のどの地域よりも愛しています。しかし、時に不安に思うことがあります。世界中を駆け巡ってみると、真剣に自国を想い「私たちが、この国をなんとかしなければいけない」と当事者意識をもって息巻いている青年を何度も目の当たりにしてきました。そんな日本人が今どれだけいるでしょうか。国際社会を見据えて、国を想い、地域を想い、当事者意識をもって行動している、行動しようとしている青年がどれだけいるでしょうか。私たちは、国際的な視野を醸成し、国際社会においても積極果敢に国際協力や国際問題に取り組んでいかなければならないのです。そして、世界には貧困に苦しんだり、紛争に巻き込まれたりと、何の罪もない子どもたちがいるという現実を理解するとともに、今後の国際都市「新潟」の未来のため、「新潟」に住む子どもたちにも国際社会が抱える問題を伝えていきます。
また、国際社会の一員である私たちは、新たな刺激や価値観を創出する機会に積極的に関わらなければなりません。私たちは、他国の人々と、心を合わせて国際交流を積み重ねながら、お互いを尊重することによって相互理解を深め、友情を育む必要があります。姉妹締結から長きに亘り民間交流を行ってきた、大韓民国ソウル汝矣島青年会議所、中華民國板橋國際青年商會との民間交流はもちろんのこと、積極的にJCIが主催する会議に参画します。本年、新潟青年会議所は創立61周年、日本青年会議所は創立64周年、そして、国際青年会議所は創立100周年を迎えます。記念すべき年となるJCI世界会議は、2015年北陸新幹線開通等、何かと話題の多い同じ北陸信越地区である石川県金沢の地にて開催されます。私たちは、国際都市「新潟」が置かれている現状を認識し、実際にJCIの国際会議に最大限コミットし体感することで、世界との友情を育んでいきます。
私たちが住まう「新潟」にも、人間力溢れる高い志と信念をもった人々がいます。社会を少しでも良くしよう、人の役に立ちたいと、主体的に問題意識を掲げ、社会に大きな変革をもたらすことが出来ると信じ、活動・挑戦し続けている人財が必ず存在します。環境、国際協力、医療・福祉、文化・芸術、スポーツ、その他多くの分野で積極果敢な活動・挑戦を続けている人間力溢れる若者を発掘し、広く発信することで応援していきます。そして、私たちは多くの若者の活躍を知り、お互いに協働し、相互研鑚することを通じて、市民意識変革運動を展開し、市民が主体性をもって課題に取り組む事業をしていきます。
近年、私たちは、メールやSNS等のIT技術の革新により簡単に多くの情報を得ることが出来るようになりました。一方、溢れるほどの情報が氾濫するようになり、膨大な情報量を使いこなしているとは言えない現状があります。私たちが取り組む広報運動も同じです。多くの市民を巻き込むことで一定の成果を出していますが、伝えたい相手に正しい情報が伝わるように、効果的に情報発信をしていく必要があります。従来通りのコミュニケーションツールを今一度検証し、私たちが取り組んでいる多くの運動・活動を一人でも多くの人に知ってもらうために、取捨選択した情報発信を内外に行っていきます。
近年、新潟JCのメンバーは会員拡大が功を奏し、入会間もないメンバーが多数存在します。
組織とは、「個」の結集であり、組織力を高めていくためには、一人ひとりの主体的な参画とメンバー同士の深い交流が必要不可欠です。増加傾向にある私たちの組織は、無限の可能性を秘めています。私たちは、自分一人のために活動するのではなく、「個」である一人ひとりが多様な価値観をぶつけ合い、互いに相寄り理解し合い、有機的なつながりをもった強固な信頼関係を構築していくことで、「個」で挑む力よりも、「個」の結集された強固な組織とならなければなりません。そのような組織こそが、力強い運動を展開し、地域の発展のために取り組んでいけると確信しています。
世界では120もの国々に青年会議所が存在し、内容は違えども同じ志をもって活動している仲間が約17万人存在します。これまで新潟JCは、国際青年会議所をはじめ、全国697の地域に存在する青年会議所から集う総合調整機関としての公益社団法人日本青年会議所本会、北陸信越地区協議会、新潟ブロック協議会へ多くの出向者を輩出してきました。本年度も同様に多くのメンバーを輩出し、全力で支援していきます。出向者は、全国でも有数の規模を誇る新潟JCのメンバーとして、プライドと感謝の心をもって、「新潟」の未来のために挑戦してきて欲しいと願っています。そして、同じ志をもって共に活躍する仲間たちと相互研鑚しながら知識を得るとともに、活動を共有し見識を深めることで、多くの学びを「新潟」にもち帰ってきて下さい。また、世界の仲間たちに、「新潟」の魅力を伝え、彼らが「新潟」に興味と関心をもって欲しいと考えています。そして、世界の仲間が、「新潟」を訪れた際には、極上のおもてなしを志向し、地域の魅力を最大限引き出し発信していきます。
私たちの運動を力強く展開していくためには、磐石な会議運営が不可欠です。また、私たちの活動費はメンバーからの貴重な財源により運営されており、一般社団法人としての会計の透明化と財務体質の健全化並びにコンプライアンスの徹底といった高い精度が求められてきました。今後もあらゆる点で、私たちが目指すべき社会の実現のため、「新潟」の市民のため、そして私たち自身とその家族のために、運営していかなければなりません。今後も財務基盤の強化を図り、安定的な財源の確保と、あらゆる価値と生産性を高める運動・活動の継続性を高めていきます。
私たちは、無限とも言える空間の広がる宇宙に抱かれ、その中の一つの惑星でしかない地球の自然の摂理の中で生かされています。決して一人で生きているのではなく、祖先がいて、両親がいて、今、この世に存在します。宇宙の時間軸の中では一瞬とも言える私たちの人生をどのように生きるかが重要なのです。すべての関わる人、すべての機会に感謝することを忘れず、たった一度きりの人生を大切に生きようではありませんか。
私たちJAYCEEは、JC三信条である「個人の修練」、「社会への奉仕」、「世界との友情」をすべて実践し、時代にあった変革を起こすべく、多くの成長の機会に自ら挑戦し能動的に活動する必要があります。そして、関わっているすべての人々にも成長の機会を提供することが出来る青年を育成することが、青年会議所の意義であると私は考えています。私たちが住み暮らす「新潟」のために、国際的な責任を自覚し、俯瞰的に物事を捉え、己自身の能力を最大限引き出すことで運動・活動の幅が広がります。挑戦した者だけが得られるかけがえのない経験を通じて成長し続けることで、共に取り組んできたすべての人々と友情を育んでいくことが出来るのです。会社や家庭等私たちを取り巻く環境は一人一様です。自らを取り巻く環境における問題で苦労している人もいるとは思いますが、不平不満を言う、出来ない理由を並べる、最初から無理だと思ってしまうのではなく、修練という成長の機会を与えてもらっていると前向きに捉え挑戦してみて下さい。青年会議所という世界中にネットワークがある奥深い組織から学びを得てみて下さい。必然的な出会いがあり、嬉しくも悔しくも前向きな涙を流すことが出来る、感動を味わうことが出来る、まだ見ぬ世界を一歩踏み出すことで素晴らしい機会がある、青年会議所は唯一無二の団体です。
「明るい豊かな社会」の実現は、人財の成長なくしてありえない。
故に、私たちが変革者たらんリーダーとして成長することにより、己自身が関わるすべての人に良い影響を与えていかなければならないのです。 人は、限りない可能性を秘めている。
感謝の心をもって誠を尽くし、志高く、豊かな「新潟」の未来を切り開くために生涯挑戦し続けよう。
(1) 次代の指導者と成る未来のJAYCEEを発掘・拡大・育成することを通じて「個」の指導力を 高める運動
(2) 新たな戦略や施策のあらゆる可能性を模索し、「新潟」の未来を創出する運動
(3) 「新潟」の可能性を追求することで市民を魅了し、地域の魅力を創造する運動
(4) これからの「新潟」を担う人財を育成する運動
(5) 日本人である責任と誇りを自覚し、世界平和実現に向けた相互理解を深め国際協力を推進する運動
(6) 効果的に情報を発信・共有するとともに新潟JCの価値を向上させる運動
(7) 組織の一体感を醸成し、有機的なつながりを創造する運動
(8) 日本JC(本会、北陸信越地区協議会、新潟ブロック協議会)への積極的な支援・事業参画
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