『新潟地域ビジョンから9年』
1987年(昭和62年)、当時の福田実理事長のもと新潟青年会議所メンバーが一丸となり、新潟地域の過去と現在を分析し、今後の時代の流れを読み取ったうえで、「自分たちの都市は、こういう都市でありたい」という目標が設定された。そして、その目標を具現化するための具体的な方策が議論・検討され、「新潟地域ビジョン・にいがたウェルカムシティ」という形で集約された。その後の新潟青年会議所では、このビジョンをもとにした運動が次々に展開されていったのである。
新潟地域ビジョン策定から9年、新潟空港の滑走路2,500m化などの国際的商業都市としての基盤整備が充実していく一方、より多くの人々にそれらを活用して新潟に来訪してもらうための一つの切り口として、1996年(平成8年)津吉孝司理事長のもと、「国際的大規模コンベンションの誘致」活動が大きな一歩を踏み出すこととなる。それが、「JCI国際アカデミー」の新潟への誘致活動である。
『JCI国際アカデミーとは』
「JCI国際アカデミー」とは、日本青年会議所のメイン事業の一つであり、1987年(昭和62年)11月のアムステルダムにおける世界会議でJCIの公認行事として正式に承認され、4つの目的を達成されるべく始められた。目的の一つには、世界各地から集まる若者たち同士、並びに日本JCのメンバーとの相互理解を深めること。二つには、トレーニングの機会を与えて明日のリーダーを育てること。三つには、JCIをより良くし、全体的な発展に寄与すること。四つには、最終的には、恒久的かつ永久の世界平和確立に貢献することである。約1週間の会期の中で、各国の青年会議所リーダーが集まり、指導力向上のトレーニングなどを通じて、全世界的な「ヒューマン・ネットワーク」の構築などを目指して開催されるものである。
『開催地決定!』
津吉孝司理事長のもと、次回開催予定の第10回国際アカデミー開催地としての立候補、「招致推進連絡会議」の発足など、新潟青年会議所の全体事業として様々な招致推進が行われていった。しかし、第10回の開催地は北九州に決定。国際アカデミー誘致のバトンは、1997年(平成9年)の宇尾野隆理事長に引き継がれることとなったのである。宇尾野隆理事長が率いたさらなる誘致活動の結果、ついに第11回国際アカデミーが新潟の地で行われることに決定したのである。
『第11回国際アカデミー』
新潟開催の決定直後から、開催に向けた様々な活動がスタートし、準備プロジェクトの立ち上げ、新潟県・新潟市等行政への支援依頼、日本青年会議所・理事会へのお礼や挨拶、ホノルル世界会議での次年度開催地としてのPRなど、その準備活動は開催の年となる早福豊理事長時代へと引き継がれていく。早福豊理事長は、国際アカデミーの新潟開催という事業を通じて「新潟青年会議所を一つにしよう」と考え、新潟青年会議所メンバーが一丸となって準備・運営に邁進したのである。1998年(平成10年)7月、新潟で開催された第11回国際アカデミーには、海外72ヶ国からの参加者と国内各地域の青年会議所の中心メンバー54名が参加し、海外を含めた多くの人々に国際商業都市新潟をアピールするに至ったのである。